人と接する介護士は、接遇マナーを身につけることが欠かせません。適切な接遇マナーを身に着けるためには、まずその重要性を意識するべきです。ただ入浴や食事、排せつなどの介助をテキパキとすれば良いということではなく、相手が快適にケアを受け心地よく感じてもらえるようにすることが介護ケアには欠かせないからです。

そして、接遇マナーを実践する上では、相手の身になって考えるということがポイントとなります。このくらいの力で腕を握られたら痛いと感じるかもしれないとか、こんなことをしてあげたら気持ちよさを感じてもらえるのではと、相手の側に立って考えることでより良いマナーを実践できるのです。同時に、ご家族のことも考えましょう。施設に預けているご家族の心配を和らげるためにはどうしたらいいか、と考えることで、安心感のあふれる介護ケアができるようになります。

また、コミュニケーションを上手に取ることを意識するのもポイントです。たくさんの利用者の対応をしなければなりませんので、どうしても一人一人の変化に気付きにくいものです。しかし、グループとしてケアをしているというよりも、個別のサポートをしているという思いを持って、話を聞いたりこちらから話しかけたりすることが大事です。そうすることで、強い信頼関係を築くことができますし、ちょっとした変化に気づけたことで、利用者の安全を守れることもあります。同時に、それぞれのプライバシーを大事にして、適度な距離感を保つというバランス感も持てると更に良いでしょう。