タメ口と聞くと高齢者に対して失礼な言葉遣いと考える人もいますが、介護現場では利用者との距離を縮めるために、タメ口で話しかける方法を取ることがあります。なぜかというと、親しみやすい家族のような雰囲気を出す効果もあるからです。ただ、利用者と介護士の間では良くても、利用者の家族が聞いていた時に、馬鹿にされているように捉えられる可能性もあるため、介護現場では基本的に敬語を使います。敬語は、相手に対して尊敬の気持ちが伝わり、周囲で聞いている人にも丁寧な話し方をしている印象を持ってもらえます。
ただ、敬語ばかり使うと利用者に距離感を感じさせてしまうこともあるため、使い方には注意が必要です。敬語には尊敬語と謙譲語と、丁寧語の3種類があります。尊敬語は、相手を敬った言い方で、目上の人などに対して話すときに使うことの多い敬語で、「おっしゃる」「召し上がる」などがそうです。謙譲語は、自分をへりくだった言い方をすることで相手への敬意を示す言葉で、「申し上げる」「ご説明する」などです。丁寧語は、言葉の通り丁寧な話し方のことで、「ごさいます」や「です」「ます」などがそれにあたります。
これらを考慮して、タメ口であっても丁寧な話し方をするなど、タメ口と敬語の両方のメリットを活かし、相手への敬意を損なわずに親しみを持った言葉遣いで接することを心掛けるとよいでしょう。たとえば、利用者と信頼関係を作ることが出来るまでは敬語で話をして、距離を縮めることが出来ると自然です。正解は一つではありませんので、介護の仕事にふさわしい言葉遣いを徐々に学んでいきましょう。
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